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「君が、このような姿でいるのが、惜しくてならない」 もう何度もこの言葉を聞いた。 どうしても、この人は、俺を“狗”にしたかったようで。 そうならずに済んでいるのは、ひとえにキリヲのおかげだった。 ビトロが俺に目をつけていたのに、いち早く気づき、先に釘を打っておいたのだ。 “グンジを狗にするつもりなら、俺がグンジを殺す”と。 ビトロにとって、狗にしても死なれては意味がないと。 そう思うとなかなか手を出せないらしい。 狗にしておいて完璧に隔離すれば問題ないだろうけど。 キリヲを敵に回してまで狗にしたいと、そう思うレベルまでには達してないのだろう。 「あのさぁ? 今日は疲れてっから、はやく寝たいんだけどぉ?」 手首に嵌められた枷が、鎖で吊り上げられている。 天井付近を軸にしてブラブラと体を揺らしながら、俺は軽いノリで口にした。 「そう言って、途中からせがむのはいつも君のほうだろう?」 静かに、愉しむような口調でそう言うと、俺の上着の中に手を偲ばせていく。 ビトロの手が何度も胸の周りを撫でていく。 「たまには、初めから欲しがってはくれないものか」 「こんだけ手、出されてりゃさぁ。欲求不満にもなんねぇし?」 「確かに…」 耳元でそう言って、ビトロはそっと舌先を耳へと差し込んでくる。 「んっ…」 この水音が、変に感情を昂ぶらせる。 いやらしい音だと、そう考えてしまうせいだろう。 ピチャピチャと、音を立てて。 指先が立ち上がった胸の突起を執拗に転がしていく。 「んっ…んぅっ…」 「素直じゃないところがまた、愛しい…。そう思うだろう…?」 その言葉は俺に向けたものではない。 キリヲだ。 「…そうだな」 鼻で笑うようにして、ビトロに同意する。 すぐ近く。 俺とビトロの行為がよく見える場所のソファにどっかり座って、なんでもないことのように、鑑賞する。 いつものことだけれど、もちろん、慣れることなどない。 ビトロが俺をどうするか、監視しないと気がすまないようで。 たしかに、ビトロと二人きりじゃ、この体がどうされるか、わかったもんじゃない。 なにかあれば、キリヲがどうにかしてくれるだろう。 そういう安心感もあった。 度を過ぎれば、狗にされるか殺されるか…ではあるが。 優しく扱っていた胸の突起に、爪を立てられ、不意打ちの行為に体がビクつく。 「ぅンっ…ん…」 ビトロのもう片方の手が、俺の頬を包み、舌先が頬を這う。 「はぁっ…んっ…」 もどかしさから、体を捩ると、すぐにバレてしまうようで。 「どうした…?」 優しい口調で俺に聞く。 「んっ…」 「言いたまえ…」 言うまで、進めるつもりはないのだろう。 容易に予想がつく。 つい、視線をキリヲに向けてしまう。 「言えよ」 企むような表情で、あっさりそう言い放つ。 「っ…んっ」 「キリヲだって、そう言っているだろう?」 こいつは。 ―自分が言っても聞かないのに、キリヲが言うのなら聞くのか― だとかそういった嫉妬心、独占欲はないのだろう。 俺は、恋愛対象だとかそういうのとはまた違って。 ただ、自分を愉しませてくれさえすればいい。 そういった程度のものだから、わりきっている。 そう。 俺は、ビトロに遊ばれる。 キリヲもまた、その材料のひとつなのだろう。 「んっ…じれってぇんだよ…っ」 「どうしろと?」 わかってるくせに。 むかつく。 むかつくのに、わけわかんねぇ。 「っ……はや…くっ…下っ…」 「ここを…? どうして欲しい…?」 ゆっくりと、ズボンと下着を足元まで下げられて、ビトロはその場に跪く。 この瞬間は、妙な優越感に浸れる。 そっと、ビトロの舌が、露わになった俺のモノに触れる。 「んっ…」 すでに上を向いていたソレが、硬さを増していく感覚。 「あっ…」 「そう…もっと、声を出したまえ」 こいつの言うことに従いたいわけじゃないけれど、丹念に舌で舐め上げられると声が洩れてしまう。 「んっ…あっ…んぅんっ…」 指先が、亀頭に触れ優しく撫でられて。 ヌメるような感触から、すでに自分が先走りの液を溢れさせてしまっていることに気付く。 「…恥ずかしいだろう…?」 俺の視線に気づいたのか、ビトロが俺を見上げる。 「あっ…っんぅっ」 指摘されると、ものすごく恥ずかしいことなのではないかと錯覚してしまう。 羞恥心にかられて、顔を逸らす。 「…見たくないのなら、ずっとそうしてればいい」 そう言うと、亀頭の部分にビトロの爪が立てられる感触。 「っぁあっくっ…んぅっ…」 「痛いのも、好きだろう…?」 「ひっ…くっ…んっ…」 そのまま亀頭を弄られながらも、空いた手で、手元にあった大きめのビー球をひとつ取り上げ、後ろの秘部へと押し当てる。 「っんっ…」 「ゆっくり、咥え込んで…」 教え込むようにそう言いながら、中へと押し込んでいく。 「ぁっ…んぅっ…ひぁっ…」 「重力に従って落ちないよう、ちゃんと閉ざしたまえ」 また。 2つめのビー球が押し当てられて、中に入っているビー球を押し進めながら入り込んでくる。 「ぁあっ…んっ…く…ぅんっ…」 自然と涙が溢れてきていた。 「はぁっ…やぅっ…んっ」 「声色が変わってきているな…。後ろを弄られるとすぐ、こうだ」 ビトロの指が2本ほど入り込む。 中へとビー球を押し込んで、2本の指が掻き回していく。 「ぁあっ…んぅっ…ひぁっあっ…」 「もっと…私のために鳴いてくれたまえ…」 「はぁあっ…やっ…やあっ…ぁっあぁああっ」 すぐに、ビトロの手の中へと欲望を弾け出していた。 ぼやけた視界の中、キリヲを見つける。 ゆっくりと立ち上がるその手に、タバコを持っているのがわかった。 「…禁煙だと言っているだろう」 いつから吸っていたのか、俺が気づかなかったように、ビトロも今、知ったかのようで。 「…はいはい」 かったるそうにそう返事をして、俺の肩に肘を置く。 「…そろそろ、参加すっかなぁ」 キリヲに耳元でそう言われ、イったばかりだというのに、体が熱くなる。 あいかわらず、入り込んだままのビトロの指がまたゆっくりと中を探る。 「んぅっあっ…」 「グンジー…。まぁた勃ってんじゃん?」 それを示すようにして、タバコの先が、俺の亀頭に触れてしまう。 「ぁあっ…くっ…」 体が、それから逃れるようにビクついた。 「すっごい濡らして…。ほら、ビトロ様も禁煙だっつってんし? 消してよ?」 一時離れたタバコの先が、またソコへと押し付けられる。 今度は手枷が許す限り、逃げようがない位置の体制のまま。 「ぁあっ…んぅっ…くっ…んっ」 熱くて熱くて。 どうにかなってしまいそうなのに、ソレが萎えることはない。 「…ホント、Mだよなぁあ?」 キリヲに指摘された事を肯定は出来ないが、否定も出来ない。 こんな風にされて、感じているのだから、Mの気が少なからずあるのだろう。 「貴様のやることは、えげつなくて、私とは感性がずれている」 溜息をつくようにして、ビトロがキリヲにそう言った。 「ケツに指突っ込んどいてえげつねぇもなにもないだろーがよ」 そう言い返すと、後ろからキリヲもまた、俺の中へと指を押し込んでくる。 「くっんぅっ…」 ビトロの指に沿って、中に入り込んだ2本の指が、ソコを大きく拡げてしまう。 「ぁあっ…ひぅっ…んっ…あっ」 2人の指が、お互い、協調性のない動きで中を掻き回していく。 硬いビー球が、中でゴロゴロと、時折、内壁を突いた。 「あっ…んっぁんっ…ぁあっ」 止め処なく口をつくいやらしい声と、中を掻き回す水音が、部屋に響いていた。 「こないだお前だったから、今日は俺だな」 キリヲがそうビトロに声をかける。 俺の口、上と下。どちらがどう使うかだ。 今日は、キリヲが入れるらしい。 「はぁっあっ…もぉっイクっあぁあっ…」 「グンジーぃ。気軽にイキすぎじゃねぇ?」 そう言って、キリヲが指を抜き去る。 それを合図みたいに、ビトロも指を抜き去った。 こういうときだけ、変に連携してやがる。 「はぁっ…イキてぇんだよー…」 「ここまでくると、欲望に素直だよなぁ」 ビトロが俺の手枷を外す。 キリヲに腰を引かれ、下がる上体をビトロが支えた。 俺もまた、ビトロの体に掴ってしまう。 「グンジー…出してみろよ、ビー球さぁ」 キリヲが俺の双丘を押し開くように、掴む。 「っはぁっ…」 目の前に、ビトロのモノが差し出される。 暗黙の了解で、ソレに舌を這わす。 「んぅっ…ンっ…」 腹に力を入れても、上手くビー球を吐きだせそうにない。 腰だけを突出して、重力に逆らう。 「まだ?」 キリヲが催促しながら、舌で秘部を刺激する。 「んっぁんんっ…」 そんな風にするからだろ。 締め付けてしまう。 キリヲがまた、指先を差し込んで、そっと中を探る。 「んぅうっ…」 「ココにあんだろ? ほらよぉ」 入り口付近まで出かかっていたビー球が、キリヲの指でまた、押し込まれる。 「んっぁんんっ」 体がビクついて、ビトロにしがみ付く。 その俺の頭をビトロが撫でながらも掴んで、自らの股間のモノを俺の口の中へと押し込んだ。 「んっ…ぁっん…ンっ」 口の中も十分に性感帯だ。 頬を、舌を刺激され、頭がクラクラするほどの甘い痺れが支配する。 「グンジ、お前このビー球、お気に入りみたいだし? そのまま、入れてろよ」 そう言ったキリヲの言葉を理解するよりも先に、キリヲが行動に出る。 指を抜き去ったソコへと、キリヲのモノが、押し込まれていく。 「あっ…んっんーっ」 奥へと入り込む。 硬い先が、前立腺を突く。 立ってられなくなりそうな刺激に、足が震える。 後ろからと前からと。 中がゴロゴロとする感覚。 「んぅっんーっ…」 口の中を出入りされ、舌が嫌でもビトロのモノに絡まった。 頭を優しく撫でられる感触。 と思ったら、すぐにギュっと俺の髪を掴み取る。 「ンっ…くっ…んっ」 少し勢いよく突かれて、頬を掴まれて。 喉の奥の方まで入れたその状態で、ビトロが欲望を放つ。 「んーっ」 断続的に、流れ込んでくる。 飲み込み切れなかった液が、顎を伝う。 ビトロが俺の口から自身を引き抜くと、キリヲが一気に俺の腰を引く。 少し緩かった動きが、大きくなる。 内壁が擦られて、抉られるようで。 「ぁあっんっ…ぁんんっ」 「どぉよ…? 中ですっげぇ、あたるぜ?」 「んぅっあっ…ぃくっ…あっキリヲぉっ」 勢いよく何度も突かれ、絶えられそうにもない。 ビトロの服を掴んで、自分の欲望を放つ。 「ぁあっあっ…あぁあんんんっ」 その直後くらいに、中へとキリヲの欲望が放たれた。 「あっ…ん…」 流れ込んでくる感触。 「はぁっ…キリヲ…」 キリヲがゆっくり自分のモノを抜き取って。 双丘を指で割り開くと、キリヲの出したモノがビー玉と一緒に溢れ出してきていた。 脱力感から、そこに座り込む。 ビトロとキリヲがなにか話しているようだったが、耳に入らなかった。 少し休憩すると、キリヲに腕を引かれる。 「…ンだよー…」 まだ、足元がフラフラする俺に気づいたのか。 キリヲは俺を担ぎこむようにして、城を出た。 「まぁだ、俺、あそこで休んでたかったんだけどぉ」 そう言う俺を無視するように、スタスタを歩きやがる。 「おい、キリヲー…」 「うっせぇぞ、おい。あのまま狗にされてもいいのか?」 狗ってなぁ? 「…別に、少し休んでるくらい、いいだろーがよー…」 そう言う俺を、ドサっと、地面に落とす。 「いってぇ…」 俺を踏みつけるように足を乗せ、見下ろして。 「…なに、1人でキレてんだよ」 俺は力なく、寝転がったままで、そうぼやく。 キリヲは舌打ちをすると、しゃがみ込んで、俺を睨みながら腕を取り引き寄せる。 「もっと、警戒しろよ、てめぇ」 「…んだよ、それ…」 反抗的な態度の俺が気に食わなかったのか、床に俺の上半身を叩きつけた。 別に、それが痛いからとか。 いやだとか。 そう思うわけじゃないけれど、反抗的な態度をとる気は失せてきていた。 「グンジ、てめぇなに笑ってんだ、おい」 「べっつに、なんでもねぇよー」 それが、キリヲの嫉妬やヤキモチの類ゆえの行為だってのはわかってるからだ。 だからといって、それを指摘するとまた、殴られそうだから黙っておくが。 こういった束縛のされ方も、悪くないなとは思う。 |