『対面座位』




「忘れたわけじゃないだろう?」
にっこり笑ってそう言って。
いやみらしい。
「忘れてないよ」

そう、約束した。
ひょんなことから大佐との真っ向勝負。
あまりノリ気じゃない大佐と、無駄に盛り上がる周り。
俺だって、周りにそんだけはやし立てたれたら、断りたくもない。

そこで大佐が持ち出したのが約束…という名の交換条件みたいなもの。
『勝った方の言うことをきく』みたいな…。
そういった類の内容だった。
それならば、やる価値もあるというもの。
大佐はそう言って、俺に話を持ちかけた。

じゃあ止めます、とは言えないし。
むしろ、余計に反発心が出てきて、それをあっさり受け入れちゃったのが間違いだったのか。
いや、負ける気なんてなかったんだよ。

俺だって、勝って、なにか大佐に屈辱的なこと、やらせようとか思ってたのに。

「で…。なにやるんだ」
もちろん、言うことをきくっつったって、『死ね』だとか、無理に決まってることは、除外。
そんなのは、もう暗黙の了解だ。
「私の言うことを、ただ、『聞くだけ』で済むとか、ずるい考えは持ってないな?」
「…そんなこと、考えてないよ」
勝負に負けておいて、そんな小ざかしいことはしたくない。
よろしい…と、言わんばかりににっこり笑うと、
「では、服を脱いで」
笑顔のまま、そう言い放った。


あっけにとられる…だとか、驚いたりはしなかった。
そうくると思ってたから。

大佐と、いろいろ肉体的なことすんのも初めてじゃないし。
ただ、いつもは、大佐に押されて、流されまくってる感じだから、こうやって、言われたことをするってのは、初めてだった。

大佐は、俺をジッと見て。
妙にせかされる感じだ。
俺は少し顔を逸らせて、上着を脱ぐ。
中に着ていたシャツも脱いでしまって、上半身、裸な状態。
ズボンは、さすがに少しだけ躊躇う。
そりゃ、よく足の機械鎧見せろって、脱がされたこともあるけど。
自分で脱ぐのとは違うし。
それに、次へのステップの予想がつきすぎて、妙に強張った。

パンツだけになった俺を、笑みを洩らして見下ろして。
「早くしたらどうだ?」
なんて、言ってくる。
「っわかってるよ」
どうせ、すでに見られたことのある体だ。
俺は、覚悟を決めて、一気に、脱いでいった。

「まあ、掛けて」
なにが、まあ…だ。
そんな落ち着けないってわかってるくせに。
促されるまま、怒りを抑えて、椅子に座る。
俺の方へ歩み寄ると、軽く足を撫でてから、ひざ裏に手を回し、そっと両足を持ち上げた。
「っなっ…」
ひざをそのまま、椅子の肘置きにかけられて。
左右開脚状態。
少し腰を引き寄せられると、大佐からはもう、やばい部分が丸見えだった。

俺の左手を取って、股間へと導かれ。
「自分で…一人でしてみろ」
耳元でそう言い放つ。
「なっ…」
「するだろう? それくらい。私が相手しない間…」
自分のが握らされて、その上から大佐が手を重ねて。
そっと俺の手を動かしてくる。
「っンっ…ぅんっ…」
自分の手だけど、動かしてるのは大佐だ。
すぐ、体が熱くなってくる。
「そう…そのまま」
そう言って、そっと手を離されるが、いきなり止めることも出来ず、大佐にやられてたのと同じ速度を保って擦りあげてしまっていた。
「んっ…ぁっ…ンぅっ」
「ここは…? 一人で、弄ったこと、あるのか?」
指先が、足の付け根の間。
奥の方の蕾へと触れて示す。
「っンっ…んなことっ」
「ない?」
「っないよっ」
そう言うと、クスクス笑われて、羞恥心が高まる。
普通、なくていいよな…?
「じゃあ、ここを弄るのは、私だけだ…?」
いやらしくそう言って。
まるで、なにかを独占したかのように、笑顔を向ける。
「っぁっ…ンっ」
それには、なにも答えられないでいると、少し爪が入り口をくすぐるように掻く。
「っゃあっ…ンっぅっ…」
俺の、右手を取って。
機械鎧の指の上に、ローションを垂らしてく。
「っ…サビるってっ」
「少しくらい平気だろう?」
確かに、平気だけどっ。
「ぁっ…なんで…」
「わかっているだろ…。これがなんなのかも、どうしてつけるのかも」
そう言い終わると、左手同様、また、足の間へと手が運ばれる。
「っやだってっ」
「断る権利はないよ」
「っ…でもっ」
「入れてごらん…。…というか、入れろ」
この人が、命令形で物事を発すると、どうも、屈しなきゃいけない気にさせられる。
まぁ、俺の場合、勝負に負けたんだから、気持ちがどうこうじゃなくって、するべきなんだけど。
しょうがなく、ゆっくり、機械鎧の指を入れてみる。
「っひぁっ」
思った以上の冷たさに、体がビクついて、声まで荒げてしまう。
俺がつい抜こうとした指先は、大佐が抑えたせいで、抜くことができなかった。
「ほら、もっと入るだろ?」
まだ、全然、奥までは入り込んでいない。
ヒヤリとした感覚に、全身が震えた。
大佐に指を押されるようにして、ゆっくりと人差し指が入り込む。
普通の指より、硬くて、冷たくて。
なにもかもが違う感触。
「右手、力抜いてろよ」
そう言うと、俺の右手を掴んだ手が、そっと前後の動かされる。
「えっぁっあっ…やぁあっ」
俺の中の硬くて冷たい自分の指が、前後に動かされて、内壁を擦って。
自分自身のを扱う左手も止まらなくなっていた。
「っひぁあっ…あっ…ンっあっやっ」
体中が熱くなる。
だいぶ機械鎧の冷たさも感じなくなってきていた。
機械鎧に絡めたローションが、俺の内壁に塗りたくられて、濡れた音が辺りに響く。
「いやらしい音だ」
俺が思ってたことを、大佐は、楽しむようにそう言って。
また俺の羞恥心を高めた。
大佐が、そっと俺の手から離れてくれるのがわかったけれど、止められることなんて出来なくて。
あぁ、これじゃ、ホントに俺、一人でやっちゃってる状態。
「はぁっぁっあっ…ぅんっ」
「ずいぶん、いい眺めだよ」
そんないやみを言われても、恥ずかしがる余裕すらなくなってるほどだ。

「ぁっあっ…ぃい…のっ?」
「なんのことだ?」
「っあっ…だからっ…んっ…イって…っ」
こんな風に一人でやってイってしまっていいのか?

大佐は、俺がそんなことを気にするとは思っていなかったのか、少し考えてる様子。
「…じゃあ、私をイかせてくれたら、君もイけるということにしよう」
なにも聞かずにとっととイっとけばよかった、なんて思ってもあとの祭り。
机の上に置かれた冊子を束ねていた紐を一つ解くと、それで俺の股間のモノの根元をキツく縛ってしまっていた。
「はぁっ…あっ」
「私がイきそうになったとき、外しても構わない」
そう言って、俺の前に立つと、ズボンのチャックを下ろし、自分のモノを俺の目の前に差し出す。
「っなぁっあっ…」
「わかるだろう…。濡らした方が入れやすい」
口でしなかったら、そのままねじ込むと言わんばかり。
そんなの、つらいに決まってる。
俺は、しょうがなく、口を開いて舌を伸ばした。
「そう…」
ちゃんとお手をした犬を褒めるみたいに。
やさしく俺の頭を撫でる。
噛み付いてやりたい気持ちを抑えて、丹念に舌で濡らしていった。
「んっ…ぅんっ…あっ…ンっ…」
あいかわらず、俺の手は止まることを知らなくて。
中と前を刺激し続ける。
イきそうで、出したい気持ちを押し殺して。
「もうちょっと、ちゃんと濡らした方がいいだろう?」
そう言うと、今度は、大佐が俺の頭を掴んで、開いていた口の中へと、今、俺が舐めてたソレを入れてくる。
「っんぅんっ…あっ…ンっっ」
「歯は立てるなよ」
そう言ってから、少し腰をスライドさせて、俺の口内を犯していく。
「っン…ぅっんっ…んっっ」
唾液が顎を伝いまくって、ベトベトな状態。
口いっぱいを塞がれてしまっていた。
「んっ…んーっ…ぅンんっ」
頃合とみてか、大佐はやっと俺の口から自分のを引き抜いて、俺のイスのすぐ近くにあったイスへと腰掛ける。
「はぁっ…大佐…?」
「君は、上へ」
「っはぁっ?」
上に…乗れってことだよな…。
もう、こうなったら、意地みたいなもんで、トコトンやってやる。

俺は自分の中から機械鎧の指を引き抜いて、大佐のイスへと向かう。
少しキツめのイスに足を入れさせてもらって、そっと跨いで。
ゆっくり座ると、大佐のが、俺の前と密着する。
「っンっ…」
「ちゃんと入れて跨げって、言うまでもないよな」
そう確認されてしまって。
「っわかってるって」
つい、そう怒り任せに言い返していた。
それが気に食わなかったのか、もともとそういう予定だったのかはわからないけど、
また、俺の足をつかんで、左右の肘掛にかけさせられてしまう。
今度は、向きが逆だけど。
そんなことは問題じゃない。
大佐の足の上なおかげで、さっきよりは開脚感は少なかった。
けど、結構、やばい体勢ではあると思う。
こんな体勢とらされたら、自分で体をうまく動かせないっていうか、全部、大佐の思いっきり咥えこんじまう気がして。
気だけじゃなく、そうなんだろう。
大佐に、せかされて、俺は大佐の肩に手をかける。
腕に力を込めて体を持ち上げて。
「っむ…りっ…」
せめて、入れてから、足、かけてくれれば出来そうなんだけど。
いまさらだ。
「っあっ…大佐…っ」
「しょうがない。手伝うとしよう」
俺の背中に回した手を下げ、双丘を広げるように掴む。
「っぁっ…」
体を引き寄せられて。
大佐のが、入り口に当たってる。
「っく…ぅ…」
さっきまで、さんざん指が入ってたから、太さが違うとはいえ、すぐにでものみ込めそう。
先が少し入り込んで。
そこで、大佐は、そっと俺から手を離す。
「っやっあっ…待っっ」
俺が、大佐の首にしがみ付いて体持ち上げてんのにも限度がある。
腕の力が抜けて、体が少し下がるたびに、ゆっくりと大佐のが中に入り込む。
「ひぁっ…あっ…」
「早くしたまえ」
そう言って、不意打ちで、胸の突起を撫でられる。
「っゃあっ…あぁあああっ」
腕の力が抜けて、大佐の上へと座り込んでしまう。
と、同時に、大佐のモノが奥深くまで、突き刺さっていた。
「ひぁっ…く…ぅンっ」
あまりの衝撃で、しばし動けなくなっていた体を、また大佐が支えながら、少し揺さぶっていく。
「っあっ…ぁあっ…ンっ…やぅっあっ」
「自分で」
まるで、どうするかを教えてあげただけみたいな態度。
動きを止めて、俺から手を離す。
「っ…はぁっ…」
「イきたいだろう…?」
そう急かされて、俺は大佐の首に回していた腕で、体を引き寄せる。
自ら、上下に体を揺さぶって。
足が、肘置きに掛けられてるせいで、奥まで入りすぎてる気がしてならない。
「ぁあっ…ひぁっやっあっ…ぅンっ」

自分でって。
確かに大佐はそう言ったけれど、結局、俺の背中に手を回して引き寄せて。
その後、双丘を掴んだかと思うと、俺の体をじっくり上下に動かす手伝いをしてくれる。
「ぁっ…んぅっ…やっ、大佐ぁっ…」
いやらしい音が耳について羞恥心を煽ってきていた。
だけれどもう、いろいろ余裕がない。
頭がおかしくなりそうで。
「っ…大佐ぁ…っイきそ…ぁっやぁあっ」
「…私も、ずいぶん、君の羞恥態で、楽しめたよ」
なにそれ。
つまりは、イってもいいってこと?
「はぁっあっ…」
「いいよ…。中で、イかせてくれ」
何言うんだろう、この人は。
それでももう、自分の方が限界で、言い返す余裕がない。
大佐が、俺のに絡まってた紐を解いてくれて、そのあとは、スパートをかけるみたいに、俺の体を揺さぶってくる。
「ひぁっんっ…ぁっあっンっ」
奥まで突かれて。
すごく感じるところを、擦られて。
周りの視界さえも奪われていくようだった。
「ぁっあぁあっ…ぃくっ…ぅンっぁっあぁああっ」

精神の余裕がなかったのか。
大佐に抱きつくようにして、欲望を放ってしまっていた。
俺が、それを少し恥ずかしいと感じ、後悔しかけたときには、大佐の方も俺の背中に手を回して抱き寄せてくれて。
また、別の意味で、気恥ずかしさを感じていた。




「いつものように勝った方が言うことをきくということで」
何度目だろう。
その度に負けて恥ずかしい思いをして。
でもいつか勝って、すごい事やらせないと俺の気がおさまりそうにない。
それに、正直、嫌なことばかりじゃない気がしちゃってたりする。
むしろ、勝ち逃げなんてされてたまるか。
そう考えると、何度負けても、受けて立ってしまうのだった。